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観月
夢みるけだもの
「私、黒羽とだったらセックスできるかも」 カフェの一角、二人掛けの席。 正面で脚を組んで涼しい顔を開いていた黒羽が、盛大にコーヒーを吹き出した。 「うわ、きたな」 彼は慌てた様子で辺りをキョロキョロと見渡したのち、“お前なあ”と、呆れ顔で盛大なため息をついた。...
黒羽
化身
中庭を抜けて西門へと続く石畳の道、銀杏並木の中に埋もれるようにして、一本だけ、桜の樹が植えられていた。どうしてここだけ他と合わせなかったのか、誰もが一度は不思議に思ったことがあるだろう。生徒たちの間では、ここで首吊り自殺があっただとか、この下に死体が埋まっているだとか、根も...
幸村
二十七番目の光芒
「なあに、あれ」 大学のテキストと数冊の文庫本が置かれただけの簡素な本棚の一番上に置かれたそれ。プラスチック製の使い捨てインスタントカメラ。 千歳の部屋のベッドにうつ伏せで横たわり、枕に上半身を預けてスマートフォンを触っていると、その向こう側に見えたそれが目に留まった。...
千歳
小惑星にバラ園は無いけれど
「まったく……」 溜息混じりに、呆れた様子で、そして少しの優しさを滲ませながら、彼は言うのだ。 「あなたという人は」 “呆れて物も言えません” ここまでが、彼、観月はじめが口にするいつものワンセットだった。 現に今目の前の私に物申しているではないかと口答えしてみたが、「そう...
観月
ヴィーナスベルト
※「秒針の裏側」の千歳サイドのお話です “熱帯魚のような人だった” 学校という名の箱庭の中を、低いヒールの踵を静かに打ちつけてゆったりと歩くその人の姿は、まるで水槽の中を泳ぐ熱帯魚のようだった。ひっつめ髪から零れるおくれ毛の緩やかなカール、真っ白なブラウスの袖口から覗く細い...
千歳
秒針の裏側
元々あまり器用な方ではなかった。例えるならば、水を掻くのが下手で、手足をばたつかせるほど水底へ沈んでいってしまうような、そんな感覚に近い。人の輪の中にいると、どうしたって浮いてしまう自分が嫌で、十数年かけて大人数の中に溶け込む術を会得した。妙に負けず嫌いな面が功を成して、幸...
千歳
生熟れ
SNSに掲載されたコラムか何かで見かけて、短い記事の中の踊るような文調にまんまと乗せられ、普段香水なんて滅多につけないというのに“欲しい”と願ったそれ。淡いコーラルピンクのボトル。公式サイトの説明書きやコスメサイトのレビューを読んでは、何度もその香りを空想することに耽った。...
佐伯
蠍の心臓
何者でもない何かになりたい。 そんな矛盾した思いを常に抱えていた二十歳のことだった。 茹だるような暑さに立っていることすら嫌になる夏のある夜、二週間ぶりに自宅のアパートに帰ると、電気が止められていた。 錆びついた階段を昇った二階の一室、玄関の鍵はいつも開けっぱなしだった。六...
千歳
C.G.
仄暗い水底に沈みゆく最中、私はあなたに心奪われていった 東京で就職して三年、職場の人間関係の諍いに巻き込まれ、心身ともに疲弊しきった私が辿り着いたのは、住み慣れた故郷の港町だった。辞表を出したその日のうちにスーツケースに最低限の荷物を詰め込んで帰省した私を、両親は何も言わず...
千歳
紅牡丹
姉さんの振袖の前撮りをするついでに買い物に行く。色々と荷物が増えるだろうからお前にも手伝って欲しいと頼まれ、父親の運転する車に乗り込んだ。家族揃って何処かへ出かけるのは久々のことだった。先に買い物を終えたのち、俺はスタジオの隅に置かれた椅子に腰掛けて撮影の様子をぼんやりと眺...
柳
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