赤也ゆらぎきらきら、きらきらひかる水面に目を奪われていると、ゆがんだ顔の彼と視線が重なった。ゆがんでいるのが彼の顔なのか、それともゆれる水面のせいなのかはわからなかった。プールの水は水底のペンキの色に染まり、残り少ない夏を色濃く反射して、何とも言いようのない高揚感が胸を駆け巡る。プー...
赤也魔界へ誘(いざな)う夢を、みていた。 どす黒い雲が透かしているのは血の様に真っ赤な空で、その深紅の空の下には一面に真っ黒な焼け野原が広がっていた。おそらくかつては街と呼ばれていたのであろうそこは、ビルも家屋も街灯ですらも黒く焼け焦げて崩壊し、汚れた空に汚れた黒煙を立ち上らせていた。そんな光景が...